あなたの対応が会社のファンを作るかもしれないし、減らすかもしれないという話
自身のキャリアを話す機会がたまにあります。この会社ではこういう経験をした、こういうことを学んだ、などいろいろあるんですが、その中でも「この考え方・価値観はすごいな!」ということがありました。それ知った時はなかなか理解できなかったんですが、時間が経つにつれてじわじわ実感となって効いてきたことがあるので、バックオフィス業務をやっている方に共有したいと思います。
相手に非があるのにクレームしちゃだめなんて!
私がとある外食企業で人事労務をやっていたときのことです。転職をした年の年末調整は社労士事務所にアウトソースすることになりました。
全国に店舗がある外食企業だったので、本社を経由せずに各店舗から社労士事務所に送付してもらう手配を行って、あとは集計されたデータを待つだけ。約1,300人分の量なので、日程を区切ってそこまでに集計されたデータをもらうことになっていました。
返ってきた書類、データをさくっとチェックしてみたところ、「ん? あれ? んん?」数件のサンプルチェックでも間違いが散見されるんです。間違いを連絡したところ、なんだか良くない対応。「いやーこれはキビシイでしょ」と、社労士事務所にクレームをしようとしたところストップがかかりました。
他の外食企業経験のあるメンバーが、クレームをしてはいけないと言うんです。事実だけ受け止めて、もう間に合わないから全部引き上げようと。当時の私はこれだけでも「は!?」と思ってたんですが、料金も正規の金額を払うというんです。
「いやいやおかしいでしょ。クレームはいれるべきだ。」と主張しましたが、ダメだと言うんです。
バックオフィスの対応が生み出してしまったクレーマー
その人は、みんながよく知る有名コーヒーチェーン店で人事をやっていた人でした。その会社では過去にこんなことがあったそうです。
本社と取引のあった営業さんが、あるミスを犯しました。なのでその営業の方に対して本社がクレームをつけたんです。かなり強いクレームをつけたようで・・・。
その後どうなったかというとクレームを受けた営業の人は、店舗でとてもたちの悪いクレーマーとなったそうなんです。
あなたの会社のお客様って誰?ということ
その一件をきっかけに、本社メンバーが接する外部の人への態度や対応方法が見直されたそうです。どうしても本社にいると「自分たちがお客様、相手は業者」、そういった図式になっているかもしれません。しかし、現場(店舗)では、”業者さん”はお客様なんです。
どんなにお客様が悪くても、店舗ではお客様に対してクレームなんてしない。それと同じだ! 明らかに相手に非があったとしても、自分たちのお客様となり得る人に対しての態度・対応は店舗での対応と同じであるべき。という考え方です。
ファンを増やすのも減らすのもあなたの対応次第
外食企業ならではの考え方でちょっと極端な例ではありますが、何らかのサービスを提供している会社は当てまることがあるんじゃないかと思います。バックオフィスをやっている方は常に自分が「お客様」という立場になりがちですが、あなたの対応次第でサービスや会社のファンにもなってくれるかもしれないし、良くない態度によっては悪いイメージを持って利用してくれなくなるかもしれない。お客様を増やそうとがんばっている現場の足をバックオフィスの人がひっぱるなんてあってはならないんです。
誰だって会社の業績に影響を与えている
自分の会社を担当してくれる営業さんだって、荷物を届けてくれる宅配業者さんだって、自分の会社のサービスを使ってくれるユーザーさんかもしれない。そう考えるとやるべきことが見えてくると思います。私は今、自分が「業者」という立場でもあるので、こういった”風景”がよく見えます。実際に、今まではあまり良くなかったイメージのサービスが良いイメージになったり、正直その逆もあったりします。ファンになってもらうのは難しいけれど、ファンを減らすのはカンタンだったりしますよね。
バックオフィス業務の人でも、自分の行動・態度が会社の業績に影響を与えるということを忘れてはいけないと思います。